線路設備モニタリングセンター

軌道変位

JR東日本の在来線における線路状態は、East-i・EとEast-i・Dの2編成を使用して、3か月に1回の頻度で専用列車によって測定してきました。しかし、2つの編成でJR東日本全線の線路状態を常に把握することは不可能でした。

そこで、安全性・安定性の向上、品質向上、コストダウンを目的として、開発されたのが、軌道変位モニタリング装置です。この装置は、JR東日本と鉄道総合技術研究所、日立製作所で共同開発された装置で、従来のように専用の車両ではなく、お客さまが乗車されている営業列車に搭載できるように測定機器をコンパクトにし、また無人で自動測定できるようになりました。

営業列車に搭載することで、通常の列車運行の中でお客さまを輸送しながら、同じ路線を日々、高頻度に線路状態を監視出来るようになり、軌道変位の急進箇所が発見された場合は、素早く修繕等の対応が可能となるため、今まで以上に安全性・安定性の向上が期待されています。

当社では、各路線の測定データを全て収集し、専用アプリを使用してデータを自動で処理しています。いわゆるビッグデータの処理・解析を取り扱っています。処理後のデータは、当社で品質の高いデータを選定した上で、JR東日本に提供し、軌道状態の把握やアプリ等に活用されています。

軌道変位モニタリングのデータの流れ

軌道材料

列車の走行安全にかかわるレールを固定・支持する軌道材料の状態の把握は、線区ごとに一定周期で線路内を歩行し、線路が列車走行に対して安全が保たれているか、レールを固定・支持している締結装置やマクラギ、継目板などの材料状態を含めて総合的な安全性を目視で確認しています。

人間系による目視確認は、主に営業列車が運行している時間帯に実施されており、列車が進来するたびに安全な場所に待避する等、注意しながら点検する必要がありました。また、人が徒歩で1日に巡視できる範囲も限定的でした。

そこで、軌道材料の状態を現場に行かなくても確認できるように、また、効率良く、経済的に管理していけるように開発されたのが、軌道材料モニタリング装置です。この装置は、JR東日本と川崎重工業によって共同開発された装置で、軌道変位モニタリングと同じく、お客さまが乗車されている営業列車に搭載できるように設計されており、無人で自動測定ができるようになっています。

走行中は軌道周辺を一定間隔で撮影しており最も品質の良い画像が残る仕組みとなっています。当社に到着すると、画像解析によって軌道材料や継目板の状態を自動で判別し、その上で目視によって再分類しています。当社でデータ処理した結果は、JR東日本にデータが引き継がれ、修繕計画の策定等に活用されています。

軌道材料モニタリングのデータの流れ

モニタリング装置

線路設備モニタリング装置は、営業列車の床下に搭載されています。2種類の検査装置が搭載されており、線路の歪み等の状態を検査する「慣性正矢軌道検測装置(軌道変位モニタリング装置)」と、マクラギやレールを押さえる締結装置などの材料状態を画像収録する「軌道材料モニタリング装置」があり、これらの総称として「線路設備モニタリング装置」と呼びます。この装置が搭載された列車が営業運転する度に、軌道状態の小さな変化や異常を確認することができます。更に、装置自体もコンパクトにまとめられており、機器の点検整備についても年次点検は2日間程度で行うことが可能で、総合的な点検においては装置自体を交換することで、整備工場でのより詳細な点検・調整・機器交換作業を実施します。
今後、JR東日本管内を走行している様々な列車に取り付けられ、従来より高度な安全・安定輸送を目指していきます。

軌道変位モニタリング装置

制御ユニット、慣性ユニット、差分ユニットの3台で構成されています。慣性、差分ユニットよりレーザー光をレールに照射し状態を検査しています。収録された測定データは無線通信によってクラウドサーバーに随時転送され、JR東日本と当社の社員のパソコン上で軌道状態を確認するほか、定められた値を超過した際にはメールで関係者にリアルタイム配信されます。

軌道材料モニタリング装置

本装置は1台で構成されています。濃淡カメラにて実際のレールを撮影し、距離カメラでレールや締結装置などの高さを検知しています。撮影された画像データは車上装置内のSSDに収録され定期的に取出し、当社でデータ処理を行っています。

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